はじめに
データ復旧サービスは、誤削除や機器の故障によって失われたデータを取り戻すために重要な役割を果たします。しかし、適切な業者を選ばなければ、データの完全復旧が困難になるだけでなく、高額な費用を請求されたり、個人情報が漏洩したりするリスクも存在します。本記事では、データ復旧サービスを利用する際の注意点と、実際に発生したトラブル事例について詳しく解説します。
1. データ復旧業者選びの重要ポイント
データ復旧を成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。以下のポイントを考慮して慎重に選びましょう。
1-1. 料金体系が明確かどうか
● 無料診断があるか ● 復旧できなかった場合に費用が発生するか(成功報酬型かどうか) ● 見積もり後の追加費用が発生しないか
1-2. 技術力と設備の有無
● クリーンルームを完備しているか ● RAIDやSSDなど最新の記録媒体にも対応できるか ● 物理障害の復旧実績が豊富か
1-3. セキュリティ対策が万全か
● データの取り扱いに関するポリシーが明確か ● 復旧後のデータは適切に削除されるか ● 個人情報の管理が徹底されているか
2. データ復旧サービスを利用する際の注意点
データ復旧を依頼する前に、以下の点を理解し、適切に対処することが重要です。
2-1. 電源を入れたり、自己修理を試みない
● 障害が発生したデバイスの電源を入れ続けると、データが上書きされるリスクがある ● 物理障害の場合、自己修理を試すとさらなる損傷を招く可能性が高い
2-2. 無料診断を受けてから依頼を決定する
● 診断結果を複数の業者から取得し、比較検討する ● 事前に復旧可能な範囲を確認し、不透明な業者には依頼しない
2-3. 安すぎるサービスには注意する
● 相場より極端に安い業者は、データの安全性が確保されていない可能性がある ● 一部の業者は「格安」をうたい、復旧不能と判断後にデバイスを返却するだけのケースもある
3. 実際に発生したトラブル事例
データ復旧サービスを利用する際には、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。事前に事例を知り、トラブルを回避しましょう。
3-1. 復旧後のデータが一部破損していた
ある企業がRAIDストレージのデータ復旧を依頼したが、復旧データの一部が破損していた。業者に問い合わせたところ、「完全復旧は保証していない」との回答があり、結局データの一部が使用不可能となった。
対策: ● 復旧成功率を事前に確認する ● 業者の保証ポリシーをチェックする
3-2. 高額な追加料金を請求された
初回の見積もりでは3万円と提示されたが、復旧作業の途中で「より高度な作業が必要」として追加で20万円を請求された。
対策: ● 追加費用の有無を事前に確認する ● 契約書や見積もりの内容を慎重にチェックする
3-3. データが外部に漏洩した
個人情報を含むデータを復旧業者に依頼したところ、後日不審な連絡が入るようになった。調査の結果、業者が復旧データを不正に扱っていた可能性が浮上。
対策: ● 個人情報の取り扱いポリシーを確認する ● 信頼できる業者に依頼する
4. データ復旧を成功させるためのポイント
データ復旧を成功させるためには、以下の点に留意することが重要です。
● 障害発生後はすぐに電源を切る ● 安易に無料ソフトで復旧を試みない(データが上書きされる可能性がある) ● 複数の業者から見積もりを取得する ● 信頼できる業者の実績や口コミをチェックする ● 重要データは常にバックアップを取る習慣をつける
総括
データ復旧サービスを利用する際には、業者の選定や費用、セキュリティ面に十分注意する必要があります。特に、不透明な料金体系や過度に安価なサービスには注意が必要です。
また、トラブル事例を参考にしながら、事前の対策を講じることで、データ復旧の成功率を向上させることができます。データ復旧を検討する際には、信頼できる業者を選び、慎重に対応しましょう。