「このディスクは読み取れません」と表示された時のデータ復旧手順

「このディスクは読み取れません」と表示された時のデータ復旧手順

外付けHDDやUSBメモリ、SDカードなどをPCに接続した際に「このディスクは読み取れません」と表示され、データにアクセスできなくなることがあります。このエラーが発生すると、ストレージ内のデータが失われるリスクがあるため、適切な対応が求められます。

本記事では、エラーの原因を特定し、データ復旧を成功させるための手順を詳しく解説します。


1. 「このディスクは読み取れません」エラーの主な原因

このエラーは、PCがストレージデバイスのファイルシステムや構造を認識できない場合に発生します。具体的な原因として、以下のようなものが考えられます。

1.1 ファイルシステムの破損

ストレージのファイルシステム(NTFS、FAT32、exFATなど)が破損すると、OSがディスクを正常に認識できなくなります。破損の主な原因は以下の通りです。

突然の取り外し
 ・PCの電源が入った状態で安全に取り外さずにUSBを抜いた

書き込み中の電源断
 ・データの書き込み中に停電やバッテリー切れが発生

ウイルス感染
 ・マルウェアがストレージのファイル構造を破壊

1.2 物理障害

ストレージ自体が物理的に故障している場合、PCがディスクを認識できないことがあります。

HDDのヘッドクラッシュ
 ・HDDの内部部品(ヘッド)がディスク表面に接触して物理的に損傷

USBメモリのコントローラチップの故障
 ・チップの劣化やショートにより、データが読み取れなくなる

SDカードの端子の接触不良
 ・端子の汚れや摩耗によってPCが認識できない

1.3 OSやドライバの問題

ストレージ自体に異常がなくても、PC側の問題でエラーが発生することがあります。

ドライバの不具合
 ・WindowsやMacのストレージドライバが正常に機能していない

ディスク管理ツールの設定ミス
 ・パーティション情報が誤っているため認識されない

これらの原因を踏まえて、適切なデータ復旧手順を実施していきます。


2. 初動対応:絶対にやってはいけないこと

エラーが発生した際、誤った操作をするとデータが完全に失われる可能性があります。まずは以下の行動を避けることが重要です。

フォーマットを実行しない
 ・WindowsやMacは未フォーマットのディスクと誤認し、「フォーマットしますか?」と表示することがありますが、これを実行するとデータが消去されてしまう

新たなデータを書き込まない
 ・復旧前にストレージにデータを書き込むと、既存データが上書きされる可能性がある

繰り返し接続しない
 ・PCがストレージを認識しない場合、何度も抜き差しすることで状態が悪化することがある


3. データ復旧の具体的な手順

エラーが発生したディスクの状態を確認し、適切な方法でデータを復旧していきます。

3.1 別のUSBポート・PCで試す

まずは単純な接続不良やPC側の問題を切り分けるために、以下の方法を試してください。

USBポートを変更する
 ・他のUSBポートに接続し、認識されるか確認

別のPCに接続する
 ・Windows/Macの異なる環境で試す

他のケーブルやカードリーダーを使用する
 ・HDDやSDカードの接触不良の可能性を排除

3.2 ディスクの管理ツールを使用する

WindowsやMacのディスク管理ツールを使い、ストレージの状態を確認します。

Windowsの場合

  1. 「スタート」ボタンを右クリック → 「ディスクの管理」を開く
  2. 認識されているかを確認
  3. 「RAW」や「未割り当て」と表示されている場合は、ファイルシステムが破損している可能性がある

Macの場合

  1. 「ディスクユーティリティ」を開く
  2. 「ファーストエイド」を実行し、エラーの修復を試みる

3.3 CHKDSKコマンドを実行する(Windows)

ファイルシステムのエラーを修復するために、「CHKDSK」コマンドを試します。

  1. コマンドプロンプトを「管理者として実行」
  2. 以下のコマンドを入力
     chkdsk X: /f /r
     (X: は対象のドライブ文字に置き換え)
  3. 修復が完了したら、データが復旧できるか確認

3.4 データ復旧ソフトを使用する

エラーが発生したディスクからデータを回収するには、専用のデータ復旧ソフトを使用します。

EaseUS Data Recovery Wizard(初心者向け)
 ・使いやすく、高確率でデータを復旧可能

R-Studio(上級者向け)
 ・RAIDや物理障害にも対応した高度なデータ復旧ツール

PhotoRec(無料)
 ・画像やドキュメントファイルの復旧に強い

3.5 物理障害が疑われる場合

ストレージが物理的に故障している場合、自力での復旧は困難です。

HDDが異音を発している場合は電源を切る
 ・「カチカチ」「ガリガリ」という音がする場合はヘッドクラッシュの可能性が高い

基板の焼損やコントローラの故障
 ・電子部品の損傷が原因で認識されない場合は専門業者に依頼


総括

「このディスクは読み取れません」というエラーが発生した場合、適切な対応を取ればデータを復旧できる可能性は高いです。

初動対応を誤らず、フォーマットせずにデータ復旧を試みることが最重要
CHKDSKやディスクユーティリティを活用し、論理障害を修復
復旧ソフトを使用してデータを救出し、物理障害の場合は専門業者に依頼
日頃から定期的なバックアップを行い、データ損失に備える

適切な対策を講じることで、大切なデータを失うリスクを最小限に抑えましょう。