はじめに
外付けHDDやUSBメモリ、SSDを使用している際に、「アクセスできません」「ファイルシステムが破損しています」といったエラーメッセージが表示されることがあります。この問題が発生すると、ドライブ内のデータが閲覧できなくなり、大切なファイルを失う可能性が高くなります。
しかし、適切な手順を踏めばデータを復旧できる可能性があります。本記事では、「アクセスできません」と表示されるドライブの主な原因と、効果的な復旧方法を詳しく解説します。
1. 「アクセスできません」と表示される主な原因
1-1. ファイルシステムの破損
● 不適切な取り外しや電源断によるデータ破損。 ● ウイルス感染やソフトウェアのバグによる影響。 ● HDDやSSDの不良セクターが原因で、ファイルシステムが壊れる。
1-2. 物理的な故障
● ドライブ内部のメディアやコントローラチップの故障。 ● 外部からの衝撃や水濡れによるダメージ。 ● 経年劣化による読み取りエラーの発生。
1-3. ドライブのパーティション情報の異常
● MBR(マスターブートレコード)やGPT(GUIDパーティションテーブル)の破損。 ● 誤ってパーティションを削除してしまった場合。 ● 不適切なフォーマット操作による影響。
1-4. ウイルス感染やランサムウェア攻撃
● マルウェアがドライブのファイルシステムを変更。 ● ランサムウェアによる暗号化でデータが読めなくなる。
2. 「アクセスできません」と表示された場合の対処法
「アクセスできません」と表示されたドライブのデータを復旧するには、原因に応じた適切な対応が必要です。
2-1. 物理的な接続を確認する
● 別のUSBポートやPCに接続して動作を確認。 ● 別のケーブルを使用してみる。 ● 外付けHDDやSSDの電源供給が不足していないか確認。
2-2. ディスクの管理ツールでドライブの状態を確認
Windowsでは「ディスクの管理」、Macでは「ディスクユーティリティ」を使用して、ドライブがどのように認識されているかを確認します。
● RAWと表示されている → ファイルシステムが破損している可能性が高い。 ● 未割り当てと表示されている → パーティション情報が失われている。
2-3. chkdskコマンドを使用して修復する(Windows)
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを実行する
chkdsk X: /f /r
(Xは問題のドライブのドライブレター)
注意: ● chkdskは論理障害には有効だが、物理的な障害には使用しない。 ● データが破損するリスクがあるため、重要なデータがある場合は実行前にバックアップを検討する。
2-4. データ復旧ソフトを利用する
信頼できるデータ復旧ソフトを使用して、ドライブのスキャンと復旧を試みます。
● EaseUS Data Recovery Wizard – 初心者向けで、シンプルな操作。 ● Recuva – 軽量で基本的なデータ復旧に対応。 ● R-Studio – 上級者向けで、高度なスキャン機能を搭載。
手順:
- 復旧ソフトをインストール。
- 「アクセスできません」と表示されるドライブをスキャン。
- 復旧可能なデータを確認し、別のストレージに保存。
2-5. パーティション修復ツールを使用する
ドライブが未割り当てになっている場合、パーティション修復ツールを使用して復旧を試みる。
● TestDisk – 無料で強力なパーティション復元機能を持つ。 ● MiniTool Partition Wizard – GUI操作で簡単にパーティションを修復可能。
3. 物理障害が疑われる場合の対処法
論理障害の対処法で復旧できなかった場合、物理障害の可能性があります。
3-1. データ復旧業者に依頼するべきケース
以下のケースに該当する場合は、データ復旧専門業者に依頼するのが最適です。
● HDDが異音を発している(カチカチ、ガリガリ音)。 ● PCがドライブを認識しない。 ● 物理的な損傷(落下、水没など)がある。
3-2. 信頼できるデータ復旧業者の選び方
● 無料診断を提供しているか確認。 ● 成功報酬型の料金体系を採用しているかチェック。 ● クリーンルーム設備がある業者を選ぶ。 ● 過去の実績や口コミを調べる。
総括
「アクセスできません」と表示された場合、焦らず適切な手順を踏むことで、データを復旧できる可能性があります。
● まずは、接続環境やディスク管理ツールで状態を確認。 ● chkdskコマンドやデータ復旧ソフトを試す。 ● パーティションの復元を試す。 ● 物理障害の疑いがある場合は、専門業者に相談。
適切な対処を行うことで、大切なデータを取り戻せる可能性が高まります。万が一のトラブルに備え、定期的なバックアップを行うことも忘れずに実施しましょう。