外付けSSDのデータ復旧:故障したSSDからデータを救出

外付けSSDのデータ復旧:故障したSSDからデータを救出

はじめに

外付けSSDは、データ転送速度の速さや耐久性の高さから、多くのユーザーに利用されています。しかし、誤操作、接続トラブル、物理的な破損、ファームウェアの問題などが原因で、突然データにアクセスできなくなることがあります。

本記事では、外付けSSDが故障した際にデータを救出する方法を、上級者向けの視点で詳しく解説します。データを取り戻す可能性を最大限に高めるための具体的な手順や注意点について、徹底的に解説します。


1. 外付けSSDのデータが消失する原因

まずは、SSDのデータが消失する主な原因を把握しましょう。これにより、適切な復旧方法を選択できます。

よくある故障・トラブルの原因

物理的な損傷
 – 落下や衝撃により、SSD内部の基板やコントローラーが破損することがあります。

ファイルシステムの破損
 – 不適切な取り外しや突然の電源断により、ファイルシステムが破損し、データが見えなくなることがあります。

ファームウェアの不具合
 – SSDのファームウェアが破損すると、デバイスが認識されなくなることがあります。

誤ってフォーマットしてしまった
 – 誤って初期化した場合でも、上書きしていなければ復旧の可能性があります。

NANDフラッシュメモリの劣化
 – 書き込み回数の上限に達すると、一部のブロックが読めなくなることがあります。


2. まずはSSDの状態を確認

データ復旧の前に、SSDがどのような状態にあるのかを確認しましょう。

① 別のUSBポート・PCで試す

外付けSSDがパソコンで認識されない場合、異なるUSBポート別のPCに接続して動作を確認します。

② デバイスマネージャーで確認

Windowsの場合、デバイスマネージャーを開いてSSDが認識されているか確認します。
手順:

  1. Win + Xキー を押して「デバイスマネージャー」を開く。
  2. ディスクドライブの項目にSSDが表示されているか確認。
  3. 表示されていない場合は、ドライバの更新やPCの再起動を試す。

③ ディスクの管理で認識されているか確認

Windowsでは、「ディスクの管理」を開き、SSDがリストに表示されているか確認します。

手順:

  1. Win + Xキー を押して「ディスクの管理」を開く。
  2. SSDが表示されているが「未割り当て」や「RAW」になっている場合、ファイルシステムが破損している可能性あり。

3. データ復旧の方法

外付けSSDが認識されない、またはアクセスできない場合に試すべきデータ復旧方法を紹介します。

① データ復旧ソフトを使用

SSDのデータが消えた場合、データ復旧ソフトを使用することで、削除されたデータを復元できる可能性があります。

おすすめのデータ復旧ソフト

EaseUS Data Recovery Wizard(無料版でも一定量のデータ復旧が可能)
Recuva(簡単な操作で復旧可能)
R-Studio(ファイルシステムの破損にも対応)

復旧手順

  1. データ復旧ソフトをPCにインストール
  2. SSDをPCに接続し、ソフトを起動
  3. 対象ディスクをスキャンし、削除・破損したファイルを検索
  4. 復旧可能なファイルを選択し、保存

② コマンドプロンプト(CHKDSK)を試す

SSDのファイルシステムが破損している場合、WindowsのCHKDSKコマンドを使って修復できる可能性があります。

手順

  1. コマンドプロンプトを管理者権限で開く
  2. 以下のコマンドを入力bashコピーする編集するchkdsk X: /f /r ※「X」はSSDのドライブレターに置き換えてください。
  3. 修復が完了したら、SSDが正常に認識されるか確認。

③ ファームウェアのアップデート

SSDのファームウェアが破損している場合、メーカー公式サイトからファームウェアの更新を試すことで復旧できる場合があります。

手順

  1. SSDのメーカー公式サイトにアクセス
  2. 最新のファームウェアをダウンロード
  3. 更新ツールを使ってSSDのファームウェアを更新

④ 専門業者に依頼

上記の方法で復旧できない場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。

業者に依頼すべきケース

SSDが物理的に破損している(異音がする、全く認識されない)
復旧ソフトを試してもデータが見つからない
重要なビジネスデータや個人データが失われた

データ復旧業者では、NANDメモリのチップ単位での解析が可能なため、通常のソフトでは復旧できないデータでも救出できる可能性があります。


4. 外付けSSDのデータを守るための対策

データを安全に管理するために、以下の対策を実施しましょう。

① 定期的なバックアップを取る

クラウドストレージ(Google Drive, Dropbox)を活用
外付けHDDなどに定期的にコピーを作成

② 正しい取り外しを徹底

「ハードウェアの安全な取り外し」を実行
突然の電源断に備えてUPS(無停電電源装置)を導入

③ SSDの健康状態を定期チェック

CrystalDiskInfoなどのツールでSSDの寿命や異常を確認
エラーが頻発する場合は早めに新しいSSDに交換


総括

外付けSSDのデータが消えてしまった場合でも、適切な手順を踏むことで復旧できる可能性が高いです。

データ復旧のポイント

まずはSSDの状態を確認し、別のPCやUSBポートで試す
データ復旧ソフトを活用し、消えたファイルをスキャン・復元する
コマンドプロンプト(CHKDSK)でファイルシステムの修復を試す
ファームウェアの更新が可能ならば実行する
物理的な故障の場合は、専門業者に依頼するのが最も確実

大切なデータを守るために、日頃からバックアップを取り、SSDの健康状態を定期的に確認する習慣をつけましょう。