【復旧できない?】RAW状態のドライブからデータを救出する方法

【復旧できない?】RAW状態のドライブからデータを救出する方法

はじめに

WindowsでHDDやSSD、USBメモリ、SDカードを接続した際に、**「フォーマットしますか?」**と表示され、アクセスできなくなったことはありませんか? これは、ドライブがRAW状態になっているために発生するエラーの典型例です。

RAWドライブとは、ファイルシステムが破損し、OSが認識できなくなった状態を指します。このままフォーマットを実行すると、データが完全に失われるため、注意が必要です。

本記事では、RAWドライブからデータを救出する方法を詳しく解説します。データ復旧の上級者向けの技術も紹介するため、適切な対処を行い、大切なデータを取り戻しましょう。


1. RAWドライブとは?なぜ発生するのか?

RAWドライブの定義

RAW状態のドライブとは、ファイルシステムが失われ、Windowsがデータにアクセスできない状態です。本来、HDDやSSDにはNTFS、FAT32、exFATといったファイルシステムが存在しますが、何らかのトラブルでこれらの情報が破損すると、ドライブがRAWとして認識されます。

RAWドライブになる原因

RAWドライブが発生する原因を理解することで、適切な復旧方法を選ぶことができます。

ファイルシステムの破損
 – 不適切な取り外しやシステムクラッシュにより、ファイルシステムが壊れることがあります。

不良セクタの発生
 – HDDやSSDの一部が物理的に故障し、データが読み取れなくなることがあります。

ウイルス感染
 – 悪意のあるソフトウェアがファイルシステムを破壊し、ドライブをRAW状態にする可能性があります。

突然の電源断
 – 書き込み中に電源が落ちると、ファイルシステムが破損し、RAWになることがあります。

ディスクの寿命
 – 長期間使用したストレージは、セクタの劣化によりデータが読み込めなくなる可能性があります。


2. RAWドライブをフォーマットせずにデータを救出する方法

WindowsがRAWドライブを認識しない場合でも、データを救出する方法はいくつかあります。

① データ復旧ソフトを使用する(最も安全な方法)

RAWドライブのデータを復旧する際に最も有効なのは、専用のデータ復旧ソフトを使用する方法です。これらのツールは、破損したファイルシステムをスキャンし、削除されたデータを救出できます。

おすすめのデータ復旧ソフト

EaseUS Data Recovery Wizard(高い復旧率、RAWドライブ対応)
Recuva(無料で利用可能、簡単な復旧に最適)
R-Studio(RAIDや高度な復旧が可能)

復旧手順

  1. データ復旧ソフトをPCにインストール
  2. RAWドライブをPCに接続し、ソフトを起動
  3. 対象のディスクを選択し、スキャンを開始
  4. 復元可能なデータを確認し、安全な場所に保存

注意点
復元したデータは別のディスクに保存すること(同じドライブに保存すると、データが上書きされるリスクあり)


② CHKDSKコマンドを試す(注意が必要)

Windowsの**「CHKDSK」コマンドは、ファイルシステムの修復に役立つツールですが、RAWドライブに対して実行すると、「CHKDSK は RAW ドライブでは使用できません」**というエラーメッセージが表示されることがあります。

手順

  1. コマンドプロンプト(管理者権限)を開く
  2. 以下のコマンドを実行
  3. chkdsk X: /f ※「X:」はRAWドライブのドライブレター
  4. 修復が成功すれば、データにアクセス可能になる

注意点
CHKDSKを実行すると、データが完全に消える可能性があるため、事前に復旧ソフトを試すことを推奨


③ TestDiskを使用してRAWドライブを修復

TestDiskは、RAWドライブのファイルシステムを修復できる無料のオープンソースツールです。

手順

  1. TestDiskをダウンロードし、管理者権限で実行
  2. 対象のドライブを選択し、分析を開始
  3. ファイルシステムが修復可能な場合、書き込みを実行
  4. 修復完了後、Windowsでアクセスできるか確認

注意点
TestDiskはコマンドライン操作が必要なため、初心者には少し難しい


④ RAWドライブのクローンを作成し、データ復旧

物理的な故障が疑われる場合、クローンを作成してデータを救出する方法が有効です。

手順

  1. 「ddrescue」や「HDD Raw Copy Tool」などのツールを使用し、ドライブのクローンを作成
  2. クローンディスクをPCに接続し、復旧ソフトでスキャン
  3. 復旧したデータを新しいストレージに保存

この方法が有効なケースディスクの劣化が進んでいる場合
物理的な故障のリスクがある場合


3. RAWドライブの復旧後にやるべきこと

データの復旧が完了したら、同じ問題が再発しないように、いくつかの対策を実施しましょう。

① フォーマットして新しいファイルシステムを作成

RAW状態になったドライブは、フォーマットし直すことで正常に戻すことができます。

  1. 「ディスクの管理」を開く(Win+X → ディスクの管理)
  2. RAWドライブを右クリックし、「フォーマット」を選択
  3. NTFSまたはexFATでフォーマット

注意点
フォーマットするとデータは消えるため、必ず復旧後に実行すること


② 定期的なバックアップを実施

RAWドライブの問題を防ぐために、定期的なバックアップを取りましょう。

外付けHDDやSSDにバックアップ
クラウドストレージ(Google Drive, Dropbox, OneDriveなど)を活用
RAID設定でデータの冗長性を確保


総括

RAW状態のドライブからデータを復旧するには、適切なツールを使用することが重要です。

データ復旧のポイント

「フォーマットしますか?」が表示されても、すぐにフォーマットしない
データ復旧ソフト(EaseUS, Recuva, R-Studio)を使用するのが最も安全
CHKDSKはデータが消失するリスクがあるため、慎重に実行
TestDiskを使ってファイルシステムを修復できる可能性あり
クローンを作成し、安全な環境でデータ復旧を試すのも有効

データ消失のリスクを最小限にするために、定期的なバックアップとストレージの健康チェックを忘れずに行いましょう。