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はじめに
USBメモリは、データの持ち運びやバックアップに便利なストレージデバイスですが、突然「フォーマットしますか?」と表示され、データにアクセスできなくなることがあります。意図せずUSBメモリがフォーマットされる現象は、データ消失のリスクが高く、重要なファイルを失う可能性があるため注意が必要です。
本記事では、USBメモリが勝手にフォーマットされる原因と、その対策、さらには消えたデータを復旧する方法について詳しく解説します。データ復旧の上級者向けのテクニックも紹介するため、適切な対応を行い、大切なデータを守りましょう。
1. USBメモリが勝手にフォーマットされる主な原因
USBメモリが突然フォーマットされる問題は、ハードウェアの故障やソフトウェアの不具合、ウイルス感染などさまざまな要因によって発生します。
よくある原因
● ファイルシステムの破損
– 正しく取り外さなかったり、突然の電源断によりファイルシステムが破損し、WindowsやMacがフォーマットを要求することがある。
● USBメモリの論理障害(RAW状態)
– USBメモリがRAWフォーマットとして認識されると、OSがデータを読み取れず、フォーマットを促すことがある。
● ウイルス・マルウェアの影響
– USBメモリに感染したウイルスがファイルを破損し、OSが正常に認識できなくなることがある。
● USBメモリの物理的な故障
– フラッシュメモリの寿命や、強い衝撃によるチップの破損で、データが消えたり、フォーマットを求められることがある。
● WindowsやMacのバグ・システムエラー
– OSのバグやドライバの不具合により、USBメモリが誤認識されることがある。
● USBポートや接続ケーブルの問題
– 接触不良や電力不足により、USBメモリのデータが正常に読み取れないことがある。
2. USBメモリのフォーマットを要求されたときの対処法
USBメモリが勝手にフォーマットされてしまった場合でも、適切な対処を行えばデータを復旧できる可能性があります。
① まずは別のUSBポートやPCで試す
USBメモリが正しく認識されていないだけの可能性があるため、以下の手順を試してください。
● 別のUSBポートに挿し直す
● 別のPCやMacで認識できるか確認する
● USBハブを使用している場合は、直接PCに接続する
② ディスク管理ツールで状態を確認する
WindowsまたはMacのディスク管理ツールでUSBメモリの状態を確認し、論理障害なのか物理障害なのかを判断します。
Windowsの場合
- 「Win + X」キーを押し、「ディスクの管理」を開く
- USBメモリがリストに表示されるか確認
- 状態が「RAW」や「未割り当て」になっている場合は、ファイルシステムの破損が疑われる
Macの場合
- 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」を開く
- USBメモリが表示されているか確認し、「First Aid(ディスク修復)」を試す
③ CHKDSK(Windows)でファイルシステムを修復する
Windowsでは、CHKDSKコマンドを使ってUSBメモリのエラーを修復できる可能性があります。
手順
- 「コマンドプロンプト(管理者権限)」を開く
- 以下のコマンドを入力
chkdsk X: /f
※「X:」はUSBメモリのドライブレターに置き換え- 修復が成功したら、USBメモリが認識されるか確認
注意点
CHKDSKを実行すると、一部のデータが削除される可能性があるため、事前にデータ復旧ソフトでデータを救出しておくことを推奨します。
3. フォーマットされたUSBメモリのデータを復旧する方法
USBメモリが勝手にフォーマットされた場合でも、データ復旧ソフトを使えばデータを取り戻せる可能性があります。
おすすめのデータ復旧ソフト
● EaseUS Data Recovery Wizard(高い復旧率、RAWドライブにも対応)
● Recuva(無料で利用可能、シンプルな操作)
● R-Studio(プロ向け、RAIDやフォーマット済みデバイスの復旧に強い)
復旧手順
- データ復旧ソフトをインストール
- USBメモリをPCに接続し、ソフトを起動
- スキャンを実行し、復旧可能なデータを探す
- 復元したいデータを選択し、別のストレージに保存
4. USBメモリが勝手にフォーマットされるのを防ぐ方法
今後、USBメモリのデータが突然消えないように、適切な管理と対策を行いましょう。
① 正しい取り外しを徹底
● USBメモリを抜く前に、「ハードウェアの安全な取り外し」を実行する
● 書き込み中に抜かない(データ破損の原因になる)
② 定期的にバックアップを取る
● USBメモリだけにデータを保存せず、PCやクラウドにもバックアップを取る
● Google DriveやOneDriveなどのクラウドストレージを活用する
③ ウイルス対策を強化
● USBメモリをスキャンし、不審なファイルがないか確認する
● 信頼できないPCにUSBメモリを挿さない
④ 信頼性の高いUSBメモリを使用
● 安価なノーブランドのUSBメモリは避ける
● SanDiskやKingstonなどの信頼性のあるメーカーの製品を選ぶ
総括
USBメモリが勝手にフォーマットされる問題は、ファイルシステムの破損、ウイルス感染、物理的な故障などさまざまな原因によって発生します。しかし、適切な対応を行えば、データを復旧できる可能性が高いです。
データ復旧のポイント
● USBメモリが認識されない場合は、別のPCやポートで試す
● ディスク管理ツールで状態を確認し、RAWや未割り当ての場合は復旧ソフトを試す
● CHKDSKでファイルシステムを修復できる可能性あり(ただしデータ消失のリスクもある)
● データ復旧ソフトを活用し、フォーマットされたデータを取り戻す
● 今後のトラブルを防ぐために、定期的にバックアップを取る
USBメモリのデータ消失を防ぐため、日頃から適切な管理を行い、安全な運用を心がけましょう。